こんにちは、「象」でご一緒させてもらってる、池田でございます。
わたしはまだ松永さんとお会いして間もないのですが、こうして、え?印象ですか、そうですなあ、年齢不詳といいますか、経歴詐称といいますか、どうも、何ともつかみ所のないはなしになってしまうのですよ。
初めてお会いしたのは、ええ、意識して、…あれは、「象」の写真どりの日でした。
中野の丸井本店の裏のほうにある、とある劇場に向かう途中、ちょいと薄汚れてはいるけれど、まあよくあるコンビニに立ち寄りましたら、ええ、とても暑い日でしたので、…そこにいたのですよ。松永さんが。すでに。…いえ、びっくりはしません。なぜ、びっくりするんです。…ただ、裏中野には不似合いといいましょうか、不都合と言いましょうか、ちょっと雰囲気が違ったのでしょう。だから気づいたんですね。え?お化粧?…してらっしゃいましたよ。どうも写真を撮る日は、お化粧をなさるらしいんですよ。いえ、ですからね、そのお化粧ぶりが裏中野にあわないと言うんじゃなくて、松永さんが…そう、ちょっと、都会的に見えたのですよ。ところが、松永さんは大阪出身というじゃありませんか。そこのところがね、どうも、…と言うのもわたしの中で、大阪出身と、都会的というものが、うまく整合しないものですから。経歴をね、え?つぎ?……次にお会いしたのは、もう、「象」のお稽古です。もちろん、「フロオズンピイチ」見ましたよ。悩殺水着も謀殺下着も拝見致しました、そのちょっとした意地悪ぶりなお芝居。とても好感がもてました。それで今、「象」なんですがね、松永さんたら、看護婦姿ナノですよ。それがまた、どうも怪しい。いそうでいない、いや、いないよ。というかんじなのです。まあ、頭は、普通の看護婦がつけてる、あれなんて言うんでしたっけ、まあ、いいや。それでね、グレンチェックのワンピースに真っ白のタイツと真っ黒のタイツを交互に、毎日変えるのですよ。まあ本番は変えるとしても、ね、ちょっと、怪しいでしょ。…と、このように、おもにビジュアル面を中心に、お話ししたのですが、その性格、内部構造もかなり複雑怪奇なのだと、推察いたします。何かたくらんでいますよ。ええ。いますとも。…それを探ろうと、何度か一緒にお酒を飲みに行ったのですが、私、近ごろ、ますます、お酒が弱くなってしまいまして、わたしのほうが、正体をつかまれる始末でして。ほんとうに、あいすみません。
…きっと、いい人なのですよ。
と、このように唐突に結論づけるしかないのです。今の所。
ところで肝心の「象」なのですが、これもまた、深い霧に包まれておりまして、……もしかしたら、遭難するかも知れません。うっ。そのときは、…真っ白なタイツをはいた、